現在の研究内容

1. 複合材の微視的損傷発生・進展プロセスの可視化と理論モデリングに関する研究

カーボンナノチューブ強化高分子基複合材、セラミック繊維強化セラミック基複合材、耐熱高分子基複合材など、新規応用展開を目指す複合材について、微視的損傷発生・進展過程の負荷中可視化その場観察とモデリングを行うことにより、材料開発にフィードバックできる微視的損傷特性の把握を行うとともに、省エネ・低コスト化に資する巨視的な損傷許容設計のための基礎データを提供する。

実施例

1. カーボンナノチューブ強化高分子基複合材の変形・界面強度測定とモデル化
2. SiC/SiC耐熱複合材の損傷許容評価技術

2. 成形プロセスモニタリング・モデリングに関する研究

大型化する複合材積層構造の成形プロセスの広領域測定が可能な分布型光ファイバセンサシステムを用いた成形プロセス中の温度・ひずみ分布のモニタリングを行うとともに、その理論モデリング法を検討し、オートクレーブ成形やVaRTM（真空下樹脂流動成形）や熱可塑性CFRPの成形プロセスの数値シミュレーション技術の構築を行う。

実施例

1. (a) CFRP構造ライフサイクルモニタリングシステムの構築 - 複雑形状部を有するCFRP構造の残留歪測定と形状最適化
2. (b) 成形プロセス・ライフサイクルモニタリングによる品質保証技術 - SIP（戦略的イノベーション創造プログラム）〔革新的構造材料〕「航空機用高生産性革新PMCの製造・品質保証技術の開発」

 

3. 加工・組立・運用時モニタリング・モデリングに関する研究

複合材構造製造実用時に重要な切断、穿孔といった加工プロセスや複合材構造組み立て時のひずみ分布を、上記の分布型光ファイバセンサシステムや多点型光ファイバセンサシステムでモニタリングし、実用製造過程中の履歴評価を行い、その理論・数値シミュレーション技術の構築を行う。

実施例

1. CFRP積層板の切断・穿孔加工プロセス数値シミュレーション
2. CFRPボルト結合部の損傷進展モニタリング
3. 光ファイバセンサ利用航空機複合材構造ヘルスモニタリング（(財)素形材センター/METI）
4. 航空機用複合材構造ヘルスモニタリングに関する日本・エアバス共同研究(JASTAC)（(財)素形材センター、Airbus社）